昨日来、こういう件がにわかに話題となっています。
政府の原災本部 議事録を作らず
これは、NHKのNEWS WEBからの引用なのですが、一応、全文を掲載しておきます(だいたい内容をご存知で、面倒な方は読み飛ばして下さい)。
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東京電力福島第一原子力発電所の事故を巡って、避難区域や除染の方針など重要な決定を行ってきた政府の「原子力災害対策本部」の議事録が作成されていなかったことが分かりました。専門家は「将来同じ失敗を繰り返さないようにするための財産が失われたという意味で、国民的な損失だと思う」と指摘しています。
政府の原子力災害対策本部は、総理大臣を本部長とし、経済産業大臣をはじめ全閣僚をメンバーとするもので、原発事故当日の去年3月11日に設けられ、避難区域や除染の基本方針、農作物の出荷制限など原発事故を巡る重要な決定を行ってきました。NHKで、去年11月、それまでに開かれた21回の会議について「議事録や内容をまとめた資料など」の情報公開請求を行ったところ、公開されたのは、議題を記した1回の会議について1ページの「議事次第」だけで、議論の中身を記した議事録は作成されていなかったことが分かりました。NHKの取材に対し、原子力災害対策本部の事務局を務めている原子力安全・保安院の担当者は「業務が忙しく議事録を作成できなかった」と説明しています。公文書管理法は、国民への説明義務を果たすとともに政府の意思決定の過程を検証できるようにするため重要な会議の記録を残すよう定めており、公文書の管理を担当する内閣府は、原子力安全・保安院の担当者から聞き取りを行うなど経緯を調べています。原発事故への対応を巡っては、東京電力と政府が合同で事故対応を検討した「事故対策統合本部」でも主要な会議の議事録が作成されていなかったことが分かっており、内閣府は、この経緯についても調べています。
公文書の管理や情報公開制度に詳しい名古屋大学大学院の春名幹男特任教授は「政府の重要な立場にあった人たちは、記録を残さないと責任を果たしたことにはならない。今回は、自分たちの失策がそのまま記録されると困るので、あえて記録を残さなかったと思われてもしかたない。将来同じ失敗を繰り返さないようにするための財産が失われたという意味で、国民的な損失だと思う」と指摘しています。
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原発、そこで起きた事故、その後の影響等々について何か考えるにあたっては、出来るだけ冷静でありたいと思います。事故が起きて以降、もともと無くはなかった「原子力発電」のリスクについて改めて思い知る毎日だからこそ、「今起きていること」だけに目を奪われてはいけない、あくまでフェアーな視点を忘れてはいけないと心がけているつもりです。その上でなお、言わずにはいられないことが後を絶ちません。
一般に、原子力発電の大きなメリットとしては、「安価であること」や「環境にやさしいこと」、そして「資源安全保障に寄与すること」などがよく挙げられます。ただ言うまでもなく、「だけど危険です」などという条件が付けば、ことにここ日本においては、とても受け容れられる発電手段ではなかったのかも知れません。
だからこそ、政府と電力会社とが一体となり、徹底した「安全プロパガンダ」が大々的に展開されてきました。
国民に対して…「原発は安全です」とアピールし続け、原発を推進し、実際に原発施設を作り、その運営にともなう安全を監視し、だからさらに「安全です」と言い続けてきました。全ての作業に、膨大な国民のお金を使って、です。
(「東電は民間企業だ」などという形式論はこの際意味を成しません。国民の生活基盤であるライフラインを人質にとり、自らが起こした事故の責任を、「電気代値上げ」という方便、いや詭弁を弄してあろうことか被害者に負わせるなど、純然たる民間企業の行為だと誰が認めるでしょう。)
上掲した記事の太字好調部分、「業務が忙しく議事録を作成できなかった」などと恥知らずなエクスキューズ、いや、「ウソ」を吐いて憚らぬ人たちが「守っている安全」とやらを、いったい誰が信じられるでしょう。
例えば… http://www.meti.go.jp/press/2011/01/20120117005/20120117005.pdf
http://www.meti.go.jp/press/2011/01/20120117006/20120117006.pdf
…以上二つのURLにあるプレスリリースを見て軽く驚きます。それこそ地方紙の片隅にさえ載るか載らないかの小さな事故です。まあ事故の大小だけで判断するわけではありませんが、これ、原子力安全・保安院のお仕事だそうです。そりゃ忙しいハズです。それこそ消費者庁は何してるんでしょうね。
また、こんなのもあります。
原子力業界が安全委24人に寄付 計¥8500万
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東京電力福島第一原子力発電所の事故時、中立的な立場で国や電力事業者を指導する権限を持つ内閣府原子力安全委員会の安全委員と非常勤の審査委員だった89人のうち、班目(まだらめ)春樹委員長を含む3割近くの24人が2010年度までの5年間に、原子力関連の企業・業界団体から計約8500万円の寄付を受けていた。朝日新聞の調べで分かった。
うち11人は原発メーカーや、審査対象となる電力会社・核燃料製造会社からも受け取っていた。
原子力業界では企業と研究者の間で共同・受託研究も多く、資金面で様々なつながりがあるとされる。中でも寄付は使途の報告義務がなく、研究者が扱いやすい金銭支援だ。安全委の委員へのその詳細が明らかになるのは初めて。委員らは影響を否定している。
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「委員らは影響を否定している」らしいですが皆さん、信じます??
私は普段こういうのを「寄付」とは呼ばず、「賄賂」もしくは「裏金」と呼んでいます。繰り返しますが、国民のお金で「原発の安全性を監視」していた人たちは、こういう品性の人たちです。やはり若いうちにお勉強はしておくべきです。
あとこの記事、今年1月1日のモノなのです。この件の発覚がいつだったのか詳述がありませんが、これを「重要な件」だと扱っていれば、わざわざ元旦の記事にはしないように思うのですが、やっぱり私は穿ち過ぎでしょうか。
冒頭の方で掲載した記事もそうです。いわゆる「全国紙」で、大きく扱っているところは無いようですが、これってそんなに些末な事でしょうか。私個人の感覚としては、仙谷氏が尖閣諸島沖でのビデオを隠蔽した件とそう大きくは変わらない程度に、重要だと感じるのですが。
原発の是非は当然、商業マターではなく政治マターです。つまり、国民生活マターです。
仮にも民主国家を標榜する国において、行政と独占的電力会社とのズブズブな癒着により、実態とはホド遠い情報が国民に刷り込まれ、もしかすると大手メディアもこのお先棒を担いだ可能性がある、ということを強く示唆する事象の数々です。付け加えるならアチコチで起きている(原発関連の)説明会における「やらせ問題」なども、そう遠い過去の話ではありません。何せ、「原発事故以降」の出来事です。「原発ムラ住民」の品性を窺い知る端的な材料と言えるでしょう。
さて、この状況から私たち国民は、「原発から供給される電力は安い」のか、「原発は環境にやさしい」のか、「原発以外で資源安全保障の代替手段は無い」のか、そして「本当に原発は安全な」のか、を、正確に知ることが出来るでしょうか。或いは、誰かにいくら何を言われたところで、「ああそうですか」と信じることが出来るでしょうか。つまり、「正しい情報解析に基づいて政治的判断を下す」ことが出来るでしょうか、主権者である私たちは。
もともと、原子力発電が「国家的意志」だったのかどうかも甚だ疑わしいところですが、まあ今それを言っても仕方が無いでしょう。とにかく、東電においては、やがて一般の消費者にも「電気料金の値上げ」を押し付けるつもりらしいですが、その前にやるべきことをやって頂きたいですね。むろん、このエントリーに掲載した記事に出てくるような恥じ知らずな行政担当者や有識者らも同じです。
可能な限りの個人資産をまず、賠償原資として差出し、一切の官民間の人的行き来を遮断する(当然、現在東電に天下っている元経産役人は全員即刻解雇)ぐらいのことは必須だと思います。
あれだけ大きな犠牲を払い、否、いまもなお払い続け、はからずも得た教訓とようやく知りえた事実は決して無駄にすべきではありません。そんな認識を国民の多くが共有しているだろう現在においてなお、自らのしてきたことに反省や悔恨の欠片も抱かぬ手合いが事故を引き起こしたサイドに少なくないらしいことは実に切なく、あえて理性を脱ぎ捨ててでも、「やはり脱原発だ」とい言いたくなります。
「想定外」だったのは本当に、津波の高さなのでしょうか。
by Bero
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